健康教育コーナー

認知症

誰もが加齢にともない、もの覚えがわるくなったり、記憶をすぐには取り出せなくなったりします。ただし、老化によるもの忘れと認知症はちがいます。
約束の時間を忘れてしまう。通帳をどこにしまったか忘れた。「約束をしたこと」「通帳をしまったこと」自体は覚えています。つまり、自分が忘れていることの自覚があります。これは普通のもの忘れです。これに対し、「約束したこと」「通帳をしまったこと」そのものを忘れてしまうのが認知症です。

認知症の原因で最も多いのは、脳の血流不全です。脳の動脈硬化により、脳が活動するのに十分な酸素と栄養を供給できなくなるために発症します。これは血管性認知症と呼ばれ、男性に多く、手足のしびれ、麻痺が特徴です。
今のところ認知症を完治させる方法は、残念ながらありません。薬物療法やリハビリテーション、あるいはケアを行うことで進行の速度を遅くしたり、出ている症状を軽減させたりすることはできます。ただ、発症の原因によっては、その原因を解決することによって治るものもあります。

頭を打撲した一週間~一ヶ月後に発症する、慢性硬膜下血腫という認知症があります。頭蓋内のゆっくりとした出血が原因です。通常の認知症は徐々に進行していきますが、急な発症は慢性硬膜下血腫等を疑ってみる必要があります。脳に溜まった血腫を除去すれば、脳は正常な状態に戻ります。

ビタミンB1、B12、葉酸といった栄養素の欠乏が原因の認知症があります。高齢者うつ病が原因の認知症もあります。また、甲状腺機能低下症から活動意欲が消失し、ぼんやりとした症状になることもあります。これらは栄養素の補給、うつ病治療、甲状腺ホルモン剤投与を行って、原因を取り除いてやれば治癒します。このようなものを二次性認知症といいます。原因となる別の病気を治療すれば治るのですから、「年だからしょうがない」と放置することのないようにしましょう

一覧へ戻る