健康教育コーナー
意外に多い甲状腺異常
ホルモンを作る臓器を「内分泌器官」といいます。甲状腺は内分泌器官であり、くびの全面、のどぼとけのすぐ下にあり、縦4cm程のごく薄い柔らかい臓器です。蝶が羽をひろげたような形で、すぐ後ろにある気管を抱き込むような形をしています。
働きは、主に海藻に含まれているヨウ素(ヨード)を材料にして甲状腺ホルモンを合成しています。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝の過程を刺激したり促進したりしています。
甲状腺の異常によって起こる症状は以下のようなものです。
- 安静にしているのに、心臓がドキドキする
- 手指が細かくふるえる
- 暑がりになり、水をよく飲み、汗をたくさんかく
- よく食べているのに痩せてきた
- イライラしやすくなった、落ち着きがなくなった
- 体が冷え、寒がりになった
- 肌が乾燥し、カサカサになった
- 体が重く、だるく感じるようになった
- 食欲がないのに太ってきた
- 朝起きた時に、顔や手がむくむ
- 便秘をしやすくなった
- 昼間も眠く、居眠りをするようになった
- 月経が不順になった
一見、疲れやストレス、女性特有の不調と考えてしまいがちですね。自分では健康なつもりでいる人でも、健康診断や人間ドックで甲状腺の腫れが見つかったり、血液中の甲状腺ホルモン濃度を調べて異常が発見されることもあります。何かいつもと様子が違うな。という症状が続く場合は、内分泌内科や耳鼻科を受診してみましょう。
甲状腺ホルモンの合成が過剰になる「甲状腺機能亢進症」、甲状腺ホルモンの合成が足りなくなる「甲状腺機能低下症」、甲状腺が腫れたりしこりができたりして形態的に変化する「甲状腺腫」などがあります。